訪問取材3社目は 萬古焼 を代表するアイテム 急須 をメインに製造する藤総製陶さんです。
藤総製陶さんの工場は三重県の四日市市内にあり、先日の記事で投稿した弥生陶園さんのすぐ近くにあります。
急須 をメインに製造する藤総製陶所


今回、日本のいいもの.jpの新たな商品発掘ということでお邪魔させていただきました。
こちらで大人気なのは「おもてなしのひとときを愉しむ」をテーマに開発された「ひとしずく」という一風変わった形の急須です。




その他にもお茶本来のうまみを十分に引き出す工夫が施された至高急須シリーズや、焙じたての茶葉の香りが楽しめる焙烙急須(ほうろくきゅうす)などそれぞれに特徴を持つ急須を多数製造されています。
ちなみに焙烙(ほうろく)とは・・・
私も初めて知ったモノなのですが、下の写真のような独特の形をした茶葉や塩、米、豆、銀杏などを炒ったり蒸したりするために使用するものです。
写真のように直火で使用します。


炒ったり蒸したりした後は中身を筒状になっている柄の部分から外へ流し出します。
ちなみに先程紹介した焙烙急須(ほうろくきゅうす)とは焙烙と急須が一つにまとめられた便利なアイテムです。


これも耐熱性能に優れる萬古焼の特徴があってこそ作れる商品ですね。
焙烙急須の使い方がわかるイメージ動画がYoutubeにありましたので貼り付けておきます。
萬古焼 の 急須 の製造現場を見学
打合せの後は藤総製陶さんの製造現場を見学させていただきました。


作業工程のイメージは信楽焼の丸十製陶さんや弥生陶園さんで見せていただいていたので何となくわかるようになってきました。
こちらは土を練る土練機です。とてもつかい込んだ感があるところがなんとも良いですね。


続いてこちらは成形作業ですね。
職人さんはお昼ご飯の途中でしたが、私たちの取材のために食事を中断して作業を実演してくれました。


この作業は丸十製陶さんでも見学させていただきましたが、スゥーっと形作られていく過程を見ているととても気持ちものです。




こちらは「ひとしずくの」製造に使用される型です。


型を開くとこんな感じになっています。


型から外すとこんな感じに形が出来上がります。
この状態でもすでに完成状態が見えてきてますね。


この後、継ぎ目の不要部分、いわゆるバリを取ったり、注ぎ口の穴をあけたりといった作業をして焼き上げに進んでいきます。
今回の訪問では残念ながら時間的なタイミングも合わず窯を見せていただくことができませんでした。


前回投稿した弥生陶園さんでもそうでしたが、一度の焼き上げで10時間以上かかるためなかなか窯に火入れや焼き上がりのタイミング、また人が入れる状態の温度まで下がっている窯を見ることは難しいようです。
今回は、偶然丸十製陶さんで窯の中を見ることができましたが、弥生陶園さんも、藤総製陶さんも見れなかったのでとても運が良かったということですね
まとめ
今回の滋賀県の信楽焼と三重県四日市市の萬古焼の取材で合計3社に取材協力していただきました。
それぞれメイン商品や特徴は異なるものの、まだまだ職人さんの手で作業している部分が多いように思いました。
私のような素人考えでは今の時代ある程度は機械化されているような先行したイメージがありましたが、予想に反して、まだまだ人の手の感覚に委ねられている場面が多く見受けられ何となく嬉しく思いました。
次回の訪問取材はまだ未定となっておりますが、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
ではまた次回お会いしましょう!