【 樟脳 の 作り方 】5つの製造工程と精油、植物蒸留水の活用法

【 樟脳 の 作り方 】5つの製造工程と精油、植物蒸留水の活用法
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天然由来の防虫剤として知られる 樟脳 (しょうのう)、その 作り方 って聞いたことありますか? 一般的にはあまり知られていないので聞いたことないという方も多いのではないかと思います。

現在、化学物質を使用した防虫剤の普及で国内でも 樟脳 をつくる生産者は指折り数える程度の数まで少なくなってしまいましたが、本投稿では樟脳がどのような工程を経て粉末状の防虫剤になるのか、また製造工程のどの段階で精油(エッセンシャルオイル)や植物蒸留水(ハーバルウォーター)が採れ、どんな使い方やどんな効果があるのかをまとめていきたいと思います。

弊社では長年にわたり日本全国の生活協同組合(生協)を通じて国産の天然樟脳の販売を行ってきました。その中でよくご質問いただく内容や生産者からの情報などを織り交ぜながら本投稿にまとめていきたいと思います。 

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樟脳の伝統的な作り方「水蒸気蒸留法」

以前の記事でも触れましたが、樟脳は樟(クスノキ)という樹木を原料に水蒸気蒸留法という手法で製造されています。

その製造工程では下記の3つのモノが抽出できます!

・天然樟脳
・樟脳油(エッセンシャルオイル)
・芳香蒸留水(ハーバルウォーター)

「樟からこんなに色々採れるの?クスノキってスゴイ!」と思いますよね!

製造方法を具体的に見ていきましょう!

わかりやすくまとめると下記の図のような感じになります。

天然樟脳の製造工程

1 原料となる植物を窯の中に入れ下から水蒸気を送り込んでいきます。

簡単に言えば蒸している状態ですね。
原料に含まれる成分が気化し、下から来る水蒸気とともに窯(かま)の中を上方向に上昇していきます。

2 窯の天辺から管を伝って冷却水の中を通過します。

この時グッと冷やされ蒸気から液体の状態になり最終的に容器の中にたまっていきます。

3 容器の中には精油(エッセンシャルオイル)と植物蒸留水(ハーバルウォーター)の2種類の液体が溜まっていきます。

精油と芳香蒸留水の説明図

精油は水に溶けることがないためしっかりと2層に分かれます。この2つの層をそれぞれ別個に取り出すことにより
一般的にエッセンシャルオイルと呼ばれる 樟脳の精油(エッセンシャルオイル)と匂い成分の入った芳香蒸留水(ハーバルウォーター) になるわけです。

ちなみに天然樟脳は精油の層に含まれているのですが、この段階ではまだ液体の状態です。

どうしたら粉末になっていくのでしょうか・・・

樟脳を盛った画像

粉末状の樟脳にするためにはこの後もさらに工程が続きます。

4 精油の層で結晶化したもの取り出します。

樟脳の製造工程の結晶状態

5 遠心分離機を使って24時間かけて脱水・脱油

樟脳の製造工程の結晶状態2

24時間じっくりと手間と時間をかけてじっくりと乾燥させることで高純度の真っ白い粉末状の樟脳が出来上がります。

このような工程を経てはじめて天然の樟脳ができあがります。あとはパッケージングをして終了となります。

ここで出来上がった樟脳は日常的に着る衣類はもちろん、着物や雛人形などを虫に食われないように防虫剤として使われます。

ここで紹介した工程製造されている樟脳は日本のいいもの.jpにて販売中です!

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では製造工程で採れる精油や芳香蒸留水は何か活用できないでしょうか・・・?

樟脳の精油や芳香蒸留水の主な使い方

さて前項のとおり、 樟脳 オイル (エッセンシャルオイル)は防虫剤としての樟脳の製造途中で抽出されるものなわけですが、大きく分けて「虫よけ」の使い方と「香り」を利用する使い方の二通りがあります。

ではどのような活用方法があるのか見ていきましょう。

樟脳の精油や芳香蒸留水を虫よけとして使う

ハエの画像

そもそも樟脳の原料である楠(クスノキ)は虫が嫌う木材としても知られています。

このような背景から建築用の資材として用いられることも多いのです。 それを踏まえて製造工程を考えると・・・・

お気づきの方も多いかと思いますが、水蒸気蒸留によって樟(クスノキ)の成分がギュギュっと凝縮されているんですね。

つまり製造工程の中から出てくる精油や芳香蒸留水は防虫効果のかたまりのような液体となっているわけですね。

なので樟脳の精油を水に溶かす、またはハーバルウォーターを霧吹きなどで網戸やカーテンに吹けば正に天然由来の虫よけとして使うことができます。

昨今の虫よけ商品は人体に有害とされる薬品が多く使われているという部分から安全性についての疑問が注目を集めています。

安全性を連想させる子供の画像

しかし天然由来の樟脳であっても誤って口にしてしまった場合、人体には有毒ですので子供さんのいるお宅などではきちんと注意をして扱いましょう。

樟脳の使い方については過去の記事でまとめておりますので、使用する際の詳細な使い方は下記をご参照ください。

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樟脳の精油をアロマオイルとして使う

アロマを楽しまれている方にとってはよくご存じだと思いますが、樟脳の精油はアロマオイルとしても知られており、定番の香りとして親しまれています。

アロマポットやキャンドルでたいて独特の爽やかな香りを楽しむことができます。

アロマオイルのイメージ画像

ちなみに樟脳の精油をアロマで使った際に期待できる効果としては・・・・

  • 神経質になっているときに気分をやわらげてくれる
  • ストレスの緩和
  • 不安感の緩和
  • 気分をリフレッシュ

などが期待できます。

天然由来の消臭剤として使う

「消臭」のイメージ画像

樟脳は皆さんもご存じの通り強めの香りが大きな特徴です。

この香りを活用して押入れの中や生ごみの置き場、トイレ、車の中や下駄箱の中など生活のなかでイヤな匂いのつきやすい場所やにおいのこもり易い場所の消臭をすることができます。

樟脳の精油、芳香蒸留水の持つ効果

先述の通り、樟脳の原料である樟(くすのき)は古くから虫が嫌う木材として用いられてきましたが、その効果をより詳しく調べる取り組みとして日本のいいもの.jpで販売する樟脳の製造元が専門機関に依頼して

  • 樟脳の精油におけるウイルス除去効果
  • 樟脳の精油における抗菌効果
  • 樟脳の精油における防蚊効果(蚊に刺されをどのくらい防げるかの効果)
  • 芳香蒸留水におけるアリの忌避効果の試験を行いました。

どの試験内容も今まで明確にされてこなかったものばかりですが、すべての試験において明らかに効果があるといえる結果が出ております。

 まとめ

今回は伝統的な樟脳の製法「水蒸気蒸留法」の具体的な手法やそこから採れる樟脳の精油(エッセンシャルオイル)、芳香蒸留水(ハーバルウォーター)の代表的な使われ方、効果についてまとめてみました。

樟脳は古くから防虫剤として知られてきましたが、様々な魅力があることが分かっていただけたのではないでしょうか。

現在、樟脳の生産者は弊社で把握している範囲でも2~3社ほどしかなくなってしまいました。またコロナ禍ということもあり急激な需要の拡大により異常な販売価格の高騰や買い占め等による在庫の不安定な状況が続いています。

弊社では小ロットではありますが、できるだけ在庫を確保できるようにしております。 安心な天然由来の防虫剤をお探しの方はぜひ日本のいいもの.jpをご利用ください。

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以前の記事でも樟脳の使い方や使用上の注意点などを紹介しておりますのでぜひご覧ください。

ではまたお会いしましょ~

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