皆さんは ホールガーメント という名称を聞いたことがありますでしょうか??
アパレル業界の方や洋服が好きという方の中にはご存じの方が多いかもしれませんが普通に生活をしている中ではなかなか耳にしないかもしれません。


ホールガーメントとは一回の編み上げのみで製品を編み上げる編み物の製法のことをいい、無縫製などとも呼ばれます。
私たちが運営するオンラインショップ、日本のいいもの.jpでも販売しておりますが、さっそく注文をいただいております。


今回の投稿では そんなホールガーメントについての基礎知識や、特徴などについてまとめていきたいと思います。
ホールガーメント とは
ホールガーメントとは、ニットの編み機メーカー「島精機製作所」が独自に開発した技術で1本の編み糸から1着のニットを編み上げる革新的な ニットの 製法です。


数年前にユニクロから販売された3Dニットもこのホールガーメントの技術で作られたものだったそうです。
具体的に従来のニットとどう違うのか見ていきましょ~!
従来のニットはパーツで製造されている
従来のニット製品は服の正面から見ての袖を除いた前身頃(まえみごろ)と呼ばれる部分とその背中部分、後ろ見頃(うしろみごろ)、両袖、襟(えり)の5つのパーツで個別に作られ、それらを縫い合わせることにより完成状態となります。


これに対し、ホールガーメントは個々のパーツで作るのではなく、丸々一着を一繋ぎで作るようなイメージになります。
もっと簡単に言えば
「使用する糸とデザインをセットし、30分ほど待つだけで指定したデザイン通りにニットがホールガーメントの装置から出てくる」
といいう感じです。


凄いですよね。
正にニットの3Dプリンターという感じです!
先述の通り、従来のニット製品は各部分のパーツで作られた後に縫い合わせていましたがホールガーメントではそのような作業が一切なくなるため製造にかかるコストを抑えたり製造時間を短縮することができるわけです。
さらに・・・
従来のニット製造方法では各パーツを縫い合わせるために使用する縫いしろ部分が必要とされていました。
ちなみにこの縫いしろ部分のみでA4紙と同等サイズのロスが出ていたそうです。


しかしホールガーメントではすべてを一繋ぎで製造するためこのような縫いしろが不要なため、廃棄部分を極限まで抑えることができるというわけです。
昨今、注目の集まるエシカル消費という観点でもこれからの時代の流れに沿っている製法ですね。
ホールガーメント 技術の原点
ホールガーメントの織機を製造する株式会社島精機製作所では現在のホールガーメント技術の原点となる機械、全自動手袋編み機を1964年に開発しました。
この装置はホールガーメント同様、一本の糸から継ぎ目なく自動で手袋を編み上げてくれます。この技術の応用で今の織機が生まれたそうです。


現在、ホールガーメントはユニクロに代表されるようなファストファッションで採用されている一方でその対極にあるヴィトン、グッチといったハイブランドでも採用されるほどの人気のある製法となっているそうです。


やはり生産効率と実際の着心地の両軸を考えると納得ですね。
ホールガーメント の条件
ホールガーメントにはその名称を使うにあたり3つの条件があります。
- 袋状にリブの編み出しができる(前と後それぞれで編み出しが作れる)
- 同時に3つの編み出しができる(身頃と袖×2)
- 前と後ろでそれぞれ目移しができる
これらの条件を満たす商品だけがホールガーメントの名称を使うことができるそうです。
参照元
”現場”の未来を切り開くメディア GEMBA
Knittingbird
山梨県で作られる ホールガーメント
私たちが運営するオンラインショップ日本のいいもの.jpで取り扱うホールガーメント製品は地元の山梨県市川三郷町にある「株式会社寺田ニット」で製造されるKURUMIFACTORYというシリーズのアイテムです。
寺田ニットさんでは着る人にとって着心地の良さやこれからの物流において在庫のリスクやリードタイムを考慮、追求した結果、ホールガーメントでのニット製造にたどり着いたそうです。
寺田ニットさんでは高い技術力で立体的な動きやすく着心地のよい製品づくりをしています。


KURUMIFACTORYシリーズでは着心地の良さを追求した結果、使用する素材には肌に近い天然タンパク質成分を含み、保湿性があるということから天然素材のシルクを採用しています。
シルクは吸放湿性にも優れているため汗のベタつきや乾燥からも守ってくれます。


サラサラとしたなめらかな肌触りは夏にはひんやりと涼しく、冬は静電気を起こしにくいので、年間通して快適にお使いいただけるというわけです。
常に製品力をアップデート
さまざまなこだわりと探求心をもって製品開発に臨んでいる寺田ニットさんですが、製品化したらそれで終わり・・・
ではありません。


着心地はもちろん、パッと見ではわからないような細部のに至るまで常に製品のアップデートを繰り返しながらより良い製品を追い求めています!
KURUMIFACTORYのアイテムはシルク生地を使用しているため決して安い価格帯ではありません。


しかしその分「お買い上げいただいたお客様に絶対に満足してもらう」、「また次回もKURUMIFACTORYを選んでもらう」という思いがギッシリと詰まっているというわけです。


そんなKURUMIFACTORYのアイテムですが、インナーを中心に下記の9アイテムの販売をしています。
まとめ
今回は新たなニットの製造方法として注目を集めているホールガーメントについてまとめてみました。
従来の製造方法と比較して在庫リスクの低減や製造にかかる時間の削減、生地のロスなどさまざまな点で効率化されるため今後は一般的な製造方法として広く知られていくのではないかと思います。






継ぎ目のない無縫製+シルクの圧倒的な着心地の良さを体験してみたいという方はぜひ寺田ニットさんのKURUMIFACTORYシリーズをお試しいただけたらと思います!
ではまた次回の記事でお会いしましょう!