こんにちは。だいぶ秋らしい陽気になってきましたね。
もう少しすれば鍋をしたくなる寒さもやってきますね。余談ですが先日紹介した卵かけご飯専用茶碗は深めの設計なので鍋をたのしむ際のお取り皿としても活躍してくれまね。
さて今回は私たちモノ見リョク編集部が拠点を置く山梨県。数ある地場産品の中から独自の目線で選んだのオススメ工芸品を紹介したいと思います。
山梨県ってどんなところ?

皆さん山梨県の場所がどこでどんな場所かピンときますか??
少しだけ私の過去の出来事をお話させていただくと・・・
出張等、仕事で都内へ行き、会議後、懇親会へ参加、会の終了後、
「では帰ります!」と言うと高い確率で
「えっ!? 今から帰るの??」
「いまから新幹線あるの?」
「今から帰って何時に着くの?」
という反応をもらいます。また寒い時期になると
「山梨は雪深くて道路とか大変なんじゃないの?」
「山梨は豪雪地帯だもんね~」
などの反応も多く見受けられます。
これらの経験から推察すると他県から見た山梨県の客観的なイメージは
「どこか関東ではない都心から遠く離れた雪深い場所」
というような感じなのでしょうか。
※あくまで私の経験においての話ですが・・・
実際のところは・・・・
JR新宿駅から山梨の県庁所在地、甲府駅までは1時間半弱ほどで着く距離です。
通勤圏内ということで甲府駅周辺から東京都内へ通勤している方もいるようですし、逆に外資系企業が日本に拠点を構える際、家賃などの都合から甲府駅周辺に事務所借りているようなケースもあるそうです。
気候は・・・
夏は埼玉県の熊谷と同様、40℃近くまで上がりますが、冬の最低気温は-3℃くらいまで下がります!富士山周辺の郡内と呼ばれる地域においてはさらに厳しい寒さになります。
地場産品として広く知られているのはブドウと桃、ワインです。
中でもブドウは種無しで皮ごと食べることができる新しい品種としてシャインマスカットが大きな注目を集めていますね。
しかし山梨県には食べ物だけでなく長く使える魅力的な工芸品もあります。今回は数ある中でも特に愛され続ける工芸品を紹介していきたいと思います!
ではいってみましょう!
市川大門手漉和紙

山梨県の峡南と呼ばれる地域、特に市川三郷町を中心に製造される和紙です。
その歴史は古く、平安時代~明治時代頃まで盛んに行われていたようで、主に美術用や書道用に作られていたようです。

残念ながら、現在手作業で和紙を漉いている工場は1社しか残っておらず、製紙工場のほとんどは機械化されましたが、現在も書道用紙はもちろん、障子紙や雑貨、花火の材料など様々な形に姿を変えながら技術や歴史が受け継がれています。
近年では和紙を漉く製法を活用した破れにくく耐水性のある新素材などもあり、それらで縫製された名刺入れや財布、バッグなどのSIWAシリーズは工業デザイナーの深澤直人さんが手がけたこともあり大きな注目を集めています。

また和紙とのかかわりが深い花火、市川三郷町の花火大会は昨今、テレビや雑誌など各メディアで大きな注目を集めています。
8月の花火大会「神明の花火」はテレビ番組で企画された花火職人が選ぶ花火大会ランキングにランクインするほどの高い技術力を誇ります。

毎年、花火大会当日は県内はもちろん、県外からも多くの人が訪れる夏の風物詩となっています。夏の思い出に神明の花火へ足を運んでみるのもいいのではないでしょうか。
甲州印傳

甲州印傳(こうしゅういんでん)。おそらく本記事で紹介するアイテムの中でも一番有名なのではないでしょうか。
具体的にどういうものなのか・・・?
印傳とは鹿革に模様を付ける伝統技術のことをいいます。

代表的なものとして色のついた漆を載せて模様を付けた財布やバッグなどが知られており、鹿革の優しい手触りと使い込むほど出てくる「味」が大きな魅力です。
一度使うとその魅力で再度同じ形や同じ柄、同じ色などで選ぶ方も多くいるようです。
地元、山梨では20代~60、70代ととても幅広い年齢層の人たちに愛用されています。

名刺交換時に「おっ!印傳の名刺入れ使ってるんだね?」なんていう会話が多く見受けられます。筆者も県内外を問わずこのようなシチュエーションに何度も遭遇したことがあります。
正に印伝の名刺入れは「名刺代わりの名刺入れ」として愛されているんです。
印傳のアイテムは財布や名刺入れだけでなく、バッグや巾着袋、パスケース、ペンケースなど、ここでは紹介しきれないほどのアイテムがあり、それぞれに鹿革の色と漆の色、柄の種類が存在します。

ものすごい数の組み合わせがあるので、お気に入りの組み合わせを見つけて上記画像のようにいくつかのアイテムで揃えるのも印傳の楽しみの一つですね。
印傳を選ぶ際のポイント
先述の通り、印傳はアイテムのカタチと鹿革の色、漆の色、柄でものすごい数の組み合わせが存在します。製造元にもよりますが特に有名な製造元である印傳屋さんでは1年の製造計画の中でその年に作るアイテムと作らないアイテムをしっかりと分けており、毎年9月に改編を行っております。
そのため「去年買ったお気に入りの色柄で別のアイテムが欲しい!」と思ったとき、翌年必ず同し色柄の組み合わせで買えるかどうかがわからないということです。流通の中で在庫があれば購入はできますが、在庫が無い場合、作ってもらうということができません。
この点を考えると見つけた時に買っておくというのも一つの選択肢ではないかと思います。
【2019年10月9日】印伝を購入する際に知っておくべきポイントや人気のアイテム、柄の記事を投稿しました。
ジュエリー&水晶

県のホームページにも掲載されている通り、山梨県はジュエリーの事業所数日本一を誇ります。
これは全国の約36%にも上ります。
今から1,000年以上前、山梨県の観光地としても知られる昇仙峡で水晶の原石が発見されたことをきっかけに山梨県は水晶の産地として知られることになりました。

水晶はガラスの倍以上の硬度でその加工には高い技術と十分な時間が必要とされてきました。
高い研磨加工技術を誇る山梨県の水晶産業も原石の枯渇とともに徐々に衰退していき海外から持ち込まれた原石の加工や研磨技術を活かした貴金属加工へとシフトしていきました。
現在山梨県内のジュエリーに関わる事業者は1000社を超え、県内で製造されたジュエリーの品質は国内外でも高く評価されており、海外の有名ブランドの製品を手掛ける事業者も多く存在します。
旅行で山梨に遊びに来た際、欲しいけど旅先で急に
高額なジュエリーは買えない・・・
と思うかもしれませんが、もし見たり手に触れたりする機会があればその高い技術力と完成度をぜひ一度見てみてください。
印章(はんこ)

山梨県は印章(はんこ)の産地としても知られている地域です。
ここでも水晶の産地であったことが大きく関係しているそうです。
明治20年頃、水晶を印材として作られたハンコを売買した取引が最古の記録として残っているそうです。
現在、印材としては黒水牛やオランダ水牛、木材、ゴムなどが一般的でなかなか水晶が使われている印章はなかなか見かけないですよね。

印章は人生の節目で必ず必要になるアイテムであると同時に、一度作って使い始めてしまうとなかなか作り直すタイミングありませんよね。
ある程度は印材にこだわってみるのもいいのではないでしょうか。
ちなみに山梨県民は先述した印傳の印鑑ケースを使うのがスタンダードです。

ぜひ出産やご結婚などの際に山梨の印章を検討してみてはいかがでしょうか。
あまり知られていない山梨の日本一

今回は山梨のおススメの工芸品を紹介してきましたが、山梨県には多数の「日本一」があります。
ぜひ小ネタのお供にお使いください。
- 富士山の標高・・・・3,776m
ちなみに2位も山梨県の北岳3,193mです! - ブドウの収穫量・・・・年間43,200t!
- ももの収穫量・・・・・年間39,200t!
- すももの収穫量・・・・年間6,690t!
- ミネラルウォーターの出荷額・・・全国の32.7%
- 貴金属装身具製造事業所数・・・96事業所
- 国産ワイン生産量・・・・年間5,530kl
- すし店の数・・・・・・人口1千人当たり0.30事業所
出典:山梨県ホームページ
5番のミネラルウォーターに関して少し触れると・・・
昭和初期から続く古い歴史があります。山梨県で採水されている日本最古のミネラルウォーター「富士ミネラルウォーター」は昭和4年(1929年)に設立され、「ニッポンエビアン」という商品名で発売された歴史があります。

出店:Amazon
その歴史と信頼性、また瓶で販売していたという理由から東京サミットや洞爺湖サミットなど世界各国の要人が集まる場において公式な飲料水として採用されました。
山梨県のスゴイところはまだまだありますが、続きは次の機会に書きたいと思います。
まとめ
今回はモノ見リョク編集部の事務所がある山梨県について書いてみましたが、どうだったでしょうか?筆者の地元ということもあり色々と書きたくなってしまいますが、続きはまた次回の機会に回したいと思います。本記事がこれから「山梨県に遊びに行く!」という方や「転勤で山梨に来る」という方、または山梨県の地場産品を探しているような方の参考になれば幸いです。